ふわりふわりと風に煽られ、舞い踊るカーテン。
窓から差し込む、柔らかな日差し。
爽やかな風が暖かな空気を運び、時計はゆっくりとその時を刻む。
外からは街の人々の喧騒が聞こえてくるが、このゆるやかな空間では、それすらも天上の音楽のように感じられる。
太陽の匂いのするふかふかのベッドの中で、それらを堪能するかのように、目を閉じる。
時計が新たな時を刻むと、ふわりと柔らかな風がベッドに寝そべっているユーリの頬をくすぐった。
その風に運ばれてくるのは甘い香り。
の手料理が出来上がったのだろうか。
ユーリはその甘い香りを胸いっぱいに吸い込みつつ、寝返りを打つ。
「起きてるなら起きて、ユーリ」
少し怒ったような声が台所の方から聞こえてくる。
どうやら寝たふりがばれたようだ。ユーリは小さく笑い、ベッドから起き上がる。
台所の方を見やれば、エプロンをつけたの姿が、ベッドのすぐ近くにあるテーブルの上を見やれば、おいしそうなクレープが甘い香りを漂わせていた。
「お、今日はクレープか」
ユーリはベッドから立ち上がると、テーブルの上からクレープの皿を取った。
はユーリの声に、食器を洗う手をとめ、エプロンを外しながら、ユーリの傍まで歩いてくる。
「うん、初めてだから作り方がわからなかったのだけど・・・・・・。
ちょうどフレンが訪ねてきてくれたから少し教えてもらったの」
「フレンが・・・・・・?」
の聞き捨てならない台詞に、クレープを食べようとして持ち上げていたユーリの手がぴたりと止まる。
フレンの料理と言えば、見た目はやたらそこらの料理より綺麗なのに、味は最悪といった代物だ。
まさか、味付けをフレンが担当しているんじゃないだろうな、とユーリは目を細めた。
そんなユーリの姿を不思議に思ったのか、がユーリの顔を心配そうに覗いてくる。
「ユーリ?どうしたの?」
「い、いや。ありがたく頂戴するよ」
上目遣いでこちらを見上げるように見つめるはとても可愛いく、ずっと見ていたいのだが、 次第にその顔が泣きそうになってくるのを見たユーリは、慌ててクレープを口に運んだ。
その味は思っていた通り、独創的でかつ破壊的で、ユーリは思わず顔を顰め、口元を押えた。
は決して料理が下手だということはなく、むしろ上手い方だ。
度々、の手料理をご馳走になっている自分がいうのだから間違いない。
やはり、これはフレンの仕業だろう。
以前、フレンが来た時に、の手料理のことを自慢したら、フレンのヤツ、ふてくされたような顔をしていたし、 もしかしたらアイツ、わかっててやってんじゃないだろうなとユーリは思う。
のおいしい手料理を食べる楽しみを邪魔するとは不逞ヤツだ。
そんなことをユーリが考えていると、が突然ふにゃりと顔を歪ませた。
「ご、ごめん、美味しくなかったみたいね」
そこでようやくフォローを忘れていた事をユーリは思い出したが、 何か言葉を口に出す前に、がエプロンを慌てて付け直して台所に向かってしまったので、そのまま彼女の後姿を見送る羽目になる。
ユーリはうーんと唸るように頭を捻ったが、次の瞬間にはその顔に小さく笑みを浮べた。
「いま口直しに別なの作るから待ってて」
冷蔵庫から材料を取り出しながら言うに、ユーリはそっと近寄り、手を取って彼女をこちらに振り向かせる。
「口直しなら・・・・・・」
「え?」
いきなり間近にせまったユーリの顔にが驚き目を瞬く。
「こっちの方がいいな」
ユーリはのその小さな顎を軽く持ち上げると、彼女のぷっくりとした唇を啄ばんだ。
の顔がみるみるうちに赤くなるのが分かる。
そんな彼女がすごく愛おしくて、一度顔を離すと、今度は深く口付けをした。
苦かった口の中が、甘い香りに包まれていく。
「ごちそうさま」
ユーリはの唇から、自分の唇を離すと、彼女に向けて、片目を瞑り、不敵な顔で微笑んだ。
は顔を耳まで真っ赤にして、自分の頬に手を当てると、次の瞬間、ユーリの胸をぽかぽかと叩き始める。
「もう・・・・・・ユーリのバカ!!」
「っはは」
顔を真っ赤にして、一生懸命自分の胸を叩いて抗議する彼女の姿はとても微笑ましいもので、ユーリは笑い声をあげた。
彼女のその姿をそのまま見ているのも良かったが、ユーリはのその手を取ると、ぎゅっと彼女を抱きしめ、囁く。
「ありがとな」
「え・・・・・・?なにか言った?」
がユーリの腕の中で、小さく首を傾げた。
「いや、なんでも」
「変なユーリ」
部屋の中をさわかな風がさっと通り過ぎ、カーテンが日の光を浴びてゆるやかに舞う。
の髪からは甘い香りが漂い、彼女の体からは温かな温もりが伝わってくる。
この穏やかな晴れた昼下がりは、それは、ユーリにとって確かに幸せな日の一ページ。
ユーリはの髪に自身の顔を埋もれさせ、その甘い香りを堪能すると、軽くそこにキスをした。
オレをいつも笑顔にさせてくれる君に、感謝の意をこめて、 ありがとう。
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1000HIT有難うございました!!
記念お礼のユーリ夢小説です。
ようやっとユーリ夢の登場・・・・・・。
ヒロインさん味見ぐらいしろよとかいいたいですが、
味見もフレン担当だったという事でひとつ!!
フレン味音痴ネタは好きだなぁ・・・・・・。
一つぐらい不出来な所はあった方が良いのです。
なんかフレンの話になってしまいましたが、ユーリ大好きです。
とくに不敵な笑みとウィンクが破壊的だろう、あれ!
それでは改めまして、ユーリと私から皆さんへ感謝の意を込めて、
ありがとうですよー!!!
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