望想の地オルニオン、ここは世界で一番最初の魔導器のない街である。
また、世界救済の立役者、ギルド凛々の明星、騎士団長フレン共に縁のある地でもある。
今、この街はお祭り騒ぎであった。
星喰み撃破の祝勝会兼、フレンの団長就任祝いのパーティーと称して人々は浮かれ騒いでいた。
そんな中、ユーリは壁に寄りかかり、喜ぶ人々の顔をじっと眺めているだけであった。
それを見つけたフレンは、呆れた顔を浮かべながら、ユーリに近づく。
「ユーリ、君はまたそんな格好で・・・・・・」
「いいじゃねぇか、別にお偉いさんが来るってわけでもないし」
「だからって・・・・・・」
ユーリはまったく気にしていないようだが、
街の人々は目一杯着飾り、各々に踊ったり、歌ったりして楽しんでいる。
ユーリの仲間であるエステルやリタ、カロルやジュディスだって中央で楽しげに踊っているというのに、
自分の友人は何をしているのだろうか。フレンは盛大に溜息をつく。
「まあまあ、青年はこーいう奴なんだから強制したって無駄よ〜」
「シュヴァーン隊長!」
「俺様はレイヴンよ、覚えておいてちょーだい」
「はあ・・・・・・」
片目を瞑り、レイヴンがフレンに向かって笑いかけるが、
当のレイヴンもまた、いつもの紫の羽織姿で、全く説得力がなかった。
もう何を言っても無駄だと悟ったのか、フレンはユーリと同様に壁に寄りかかると、中央を見た。
それに釣られてユーリも再び中央を見ると、
人の波を掻き分け、小さな女の子がこちらに向かってくるのが見えた。
「ユーリ、ねぇユーリ!!」
女の子はユーリの目の前まで歩いてくると、ユーリの顔を見上げた。
この女の子は、オルニオンができる前、魔物の一団が逃げ遅れた人々を襲っていた時にユーリが助けた子だ。
名前をといい、それ以来何故か自分に懐いてしまった。
ユーリが街を訪れると、なにかと纏わりついて離れないが、
ユーリ自身、そんな彼女は嫌いではなくて、むしろ妹のように可愛がっていた。
「ん?どうした?」
の目線に合うようにしゃがみ込むと、ユーリは首を傾げた。
「あの・・・・・・あのね・・・・・」
「なんだよ?」
ユーリの顔が近づいた事で、目と目が合うと、の顔がぽっと赤くなった。
はそれを隠すかのようにもじもじと身じろぎをした後、俯いてしまう。
いつもと違うその彼女の様子に訝しげに首を傾げるユーリ。
それを横で見ていたフレンは苦笑して友人に助け舟を出した。
「は君と踊って欲しいんだって。ユーリ」
「ああ、なるほど、ね・・・・・・」
フレンの言葉でやっと合点が行ったユーリは、ぽんと小さく手を叩いた。
ユーリは笑みを浮かべ、俯いたままのと自分の手を交互に見やると立ち上がり、
に向かって手を差し出す。
「それでは、お手をどうぞ?お嬢さん」
「ユーリ!」
それにはぱっと顔をあげ、目を輝かせてユーリを見た。
が自分の手にその小さな手を重ねるのを確認すると、ユーリは片目を瞑ってに笑いかけ、
人々が踊る中央の輪に彼女をエスコートしていった。
「あのね、ユーリ」
「ん?」
暫く曲にあわせて踊っていると、がユーリの顔を見上げてくる。
それを見たユーリは踊るのをやめてその場にしゃがみ、に向かって首を傾げた。
は暫く恥ずかしそうにしていたが、ユーリに近づき彼の耳に手をそえると、小さく囁く。
「ずっとユーリとこうしたいって思ってたんだ」
ユーリはそっか、と笑みを浮かべての頭をぽんぽんと撫でた。
「ありがとう、ユーリ!」
それには嬉しそうに身じろぎすると、ユーリの頬に小さくキスをした。
一瞬何が起こったのか理解できず、ユーリは頬を押さえ呆然と立ち尽くす。
はそれにえへへ、と満面の笑みを浮かべた後、じゃあねと手を振って、両親の元に戻っていった。
その一部始終をバッチリ見ていたレイヴンはにやにやと笑みを浮かべてユーリに近づいた。
「あらら、青年も隅に置けないわねぇ」
「うっせ」
レイヴンの言葉でやっと意識を取り戻し、ユーリは悪態をつく。
「おっさんもこんな所で油売ってないで、向こうに行ったらどうだ?」
いつもなら女の人とみるとすぐにナンパしに行くのに具合でも悪いんじゃないか、とユーリは言った。
すると、レイヴンは顎を摩りながら周りを見た後、にやりとユーリに向かって笑う。
「そうねぇ、おっさんも青年に負けてられないわ」
「ばっ・・・・・・!」
レイヴンのその言葉で、ユーリはさっきのかわいいキスを思い出し、顔が少し赤くなるのを感じた。
それを誤魔化すかのように、ぶっきらぼうに「言ってろ」と返すと、
ユーリは手をしっしっと払い、レイヴンを向こうに追いやった。
レイヴンが人の波に消えるのを確認すると、ユーリは壁際に戻り、その場に座り込む。
すでにフレンは他の貴婦人に誘われて踊りの輪に加わっていたらしく、中央では金の髪が見え隠れしていた。
それをじっと見つめながら、それにしても、と小さく呟く。
あの小さなお姫様は意外とあなどれないお相手だったようだ。
あの大胆不敵な行動は予想だにしなかった。
キスをされた自分の頬に手を当てていたユーリは、暫くしてゆるゆると頭を抱え込むが、
耳まで赤くなったその顔には、心なしか嬉しそうな微笑みが宿っていた。
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小さな女の子だって恋するパワーは強いんだぞ!ってお話。
ちゃんと目線に合うようにしゃがんであげるユーリが書きたかったんだ。
ユーリは子どもに好かれる性質っぽいのでそんな感じで。
でもへたしたらユーリさんロリk・・・・・・(ごほごほ
そもそもユーリの身長が180cmで、夢主が12,3歳だとして、
カロルと似たような身長だと考えると・・・・・・
その差45cm・・・・・・・
どう考えても踊れなくね!?!?
と自分ツッコミしました。まぁいいか。うん。
ユーリ身長高すぎ!!!
高い方がかっこいいけどさ!!
ってなわけで・・・・・・拍手お礼ユーリ夢(?)でした。
拍手有難うございました!!
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