シュヴァーンは白く、白く、周りにはなにもない部屋の入り口に立っていた。

部屋の中央には白い棺が、一つ、忘れ去られたかのようにひっそりと置かれている。

棺の中には自分の嘗ての友、が静かに眠っていた。

彼女はシュヴァーンと双璧と呼ばれるほどの弓の使い手であったが、かの神魔戦争の折に、その儚い命を失った。

優秀な使い手であったが故、シュヴァーンと同じく、アレクセイの手によって、心臓魔導器を埋め込まれたが、

シュヴァーンとは違い、その身を再び立ち上がらせる事はなかった。















あれから10年が過ぎようとしている。

彼女を必ず目覚めさせると言う約束で、アレクセイに従っているが、彼女はまだ目覚める気配がない。





シュヴァーンは白い棺の前に立ち止まり、しばらくじっと彼女の透き通るような白い顔をみつめた。

彼女の姿は生前の彼女そのままで、今にも動きだしそうに見える。

シュヴァーンは嘗ての彼女の姿を思い浮かべるかのようにその目を閉じた。










_________彼女、は綺麗な顔に常に柔らかな微笑みを湛える女性で、その弓の腕と共に、

騎士団の中でも特に評判が高かった。

艶やかな黒髪と、強い意志を宿した紺碧の眼差しは戦いの女神のように、美しかった。

彼女の黒髪から春の日差しのような香りが漂うのが好きで、シュヴァーンはよく彼女の髪を掬ったものだった。

シュヴァーンはそんな彼女と共にいるうちに、彼女を愛しむようになった。

しかし、彼は彼女に想いを告げることができないまま、彼女はその命を落とした_________










シュヴァーンは長く閉じていた目を開け、白い棺の前に跪くと、彼女の手を取り、そっとその白い手に口付けた。



































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拍手、有難うございました。
ありがちな設定かなと思ったけれど、他のサイト様では見かけなかったので、
書かれる前に書いてしまえ!と勢いに任せて書いてしまいました。
いかがだったでしょうか。
シュヴァーンの心臓魔導器ネタは大好きです。ええ。
このお話には続きがありますのでまた後ほどお会いしましょう。